狼と香辛料II 0 3/3

狼と香辛料II 0 3/3






本当はもう全快してるんじゃないのか?



む・・・
めまいが・・・



ホロ!



早くしてくりゃれ。



ぅ・・・



じゃぁちょっと待ってろ。



粥は大盛での。



キィ



ふ。
ふぅ。






ロレンス!



タッタッタッタ






コンコン

キィ

パタン



起きられるか?



ぅむ
駄目じゃ。



ぅん。



ぅん。



俺が体調悪くなったら
借りを返してくれるんだろうなぁ?



ぅむ。
ヨイツ流の流儀で良ければな。



考えておくよ。



心配は要らぬ。
わっちは鼻が利くからのぉ。
ぬしがこんな風になる前に
どうにかしんす。



うむ。
気がつかなかったのは悪かったよ。
だが
お前のほうからも出来れば言ってほしい。
とにかく俺は・・・
鈍いらしいからな。



うむ。
医者に治せぬ病にかかっても
簡単に気づきそうに無いからの。



ん?



何でもありんせん。
それより飯!






これだけ食べられれば大丈夫だな。
明日か明後日には治るだろう。



はぅ。



この街を出たら
また暫く荷馬車の上だ。



すまぬ。



ゆっくり養生すればいいさ。
お前を拾った時点で
急ぎの旅をあきらめてるよ。

それに
雨降って地固まるというやつで
この前の信用も取り戻して
前より良くなったくらいだ。

その得を考えたら
2−3日くらい遅れたって構わない。
いろいろ回っておきたいところは
まだあるからな。



ぁ?



宿は・・・その・・・
静か・・・すぎるから・・・



ふむ。
そうだな。



ぁ?



とりあえず
大飯食らいの誰かさんの
夜の献立について
たっぷりと語り合うか?



そんな理由!



何か大雑把な希望はあるか?



たっぷりと語り合いたいとは言え
市場が閉まると用意できなくなるからな。



む・・・
むぅ・・・



一応元気そうだが
まだ重いものも駄目だ。



肉は?



駄目駄目。
粥かパンを浸したスープか?



むぅ・・・

ならばさっきのそれ
羊の乳だったかや?
甘い香りと濃い味が美味かった。
それが良い!



羊の乳か・・・



何か問題が?



腐りやすいからまともなやつは
午後になると値が上がるんだよ。
新鮮なのをお望みだろ?



もちろん!



だったらまたノーラに探してもらおうか?
さすが羊飼いだけあって
目利きはなかなかの・・・

ぁ・・・あぁ・・・
ノーラに頼めばいい乳が手に入るから・・・



金にものを言わせれば
あの小娘に限らず
良い物が買えるじゃろうが!



ぅん・・・

それはそうかもしれないが・・・

ぅ!



しれないが
何じゃ?



な・・・なんでそんなに
ノーラを目の敵にするんだ?



ぇ?
今、何と・・・?



いや・・・
あのな・・・
過去にお前が羊飼いと
何があったのかは知らないが
お前が狼なのであれば
気に食わないのはわかる。

だが
そこまで敵意を
むき出しにすることは無いだろ?

ほら
あれだけ気立てがいいんだ。
何ごとにも例外ってものが・・・



はぁ。
ぬしよ。



な・・・なんだ?



わっちが悪かった。



わかってくれたか。



いや・・・
まぁ何と言うか・・・



ん?



まぁ良い。
ぬしはそういう奴じゃ。



ぇ?



羊の乳
よろしくの。






コンコン

キィ



ん?



ぁ!



ノーラさんが
お見舞いに来てくれたぞ。



お加減いかがですか?



ぁ・・・!



なに
ちょっと
疲れが出てしまっただけでありんす。

じゃが
ちょっと話し相手に飢えていんす。

前々から聞きたかった事を
聞いてもいいかや?



ぇ?

はい。
私で答えられることでしたら・・・



羊を導く最大のコツは何かや?



ぇ?
ぅむ・・・

広い心を持つ事ですね。



ぁ・・・



キィ
パタン



風が出てきましたね。



そのとおりじゃな。



ぇ?



羊は自分が賢いと思い込んでおるからの。



ぁ・・・



何か面白い話が・・・?



ぃ・・・いえ・・・



ぁ?



ふふ〜ん。
女同士の秘密じゃ。



ぁ?



そうかな?



くす。



ははははは。



ははははは。





posted by temari-cat at 11:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狼と香辛料II 0 2/3

狼と香辛料II 0 2/3





人と旅をしたり暮らしてきたことは何度かあった。
だが今は
それらを思い出す余裕はない。

昨日の連れは何をしていたか?
今日の朝はどうだったのか?
それらを考えるのがあまりに忙しいのだ。

のんびり故郷の事を思い出しては
めそめそしていたのは最初だけ。

こんなに刺激に満ちた毎日では
おちおち悲しんでもいられない。
楽しくないと言えば嘘。
むしろ楽しすぎて不安なくらいだ。






ぅぅぅ・・・
ん?
重い・・・
なぜ宿屋に?

う〜む・・・

何じゃ!
今のは?
現実なら一生の不覚・・・

ただの悪夢じゃ。
無かったことにしよう。

なんでじゃろうか?
あの間抜け面の前では
ついつい隙を見せてしまう。

気に入らなければ怒り
面白ければ笑い
およそ賢狼の名に相応しくない姿をみせてしまう。

やはりこれじゃ。
いつ敵に襲われてもすぐに反応できる
この形こそわっちに相応しい。
ふふふふふ。

その点
連れと来たら
アホ面丸出しじゃ。
まるで頭の悪い猫じゃ。

まぁあれくらい無防備で無神経でなければ
人の世は渡っていけぬのかもしれぬなぁ。

うむ?
なぜ居らぬ?
肝心な時にそばに居らぬとは
役にたたぬ雄じゃ。

ん?



コツコツコツ



ぁ!

ふさふさ

なんでじゃ?
わっち。



コンコン



ぁ!



キィ
ガチャ



はぁ。



キィ



コツコツコツ



やっと帰ってきたか・・・



や・・・



なぜ体調が悪い事を黙っていた?



ぁ・・・いや・・・



子供じゃないんだ。
倒れるまで気がつかなかったとは
言わせないぞ。

万が一
これが旅の途中だったら
どうするつもりだったんだ?

お前にはわからないかもしれないが
森や荒野で体調を崩せば
最悪、死につながる。



ぁむ・・・



本気で心配したんだぞ。



すまぬ。



それで
どうなんだ?



たいした事ではない。
疲れが出ただけじゃろう。



何かその・・・
特別な病じゃないんだろ?



安心せい。



そうか。
良かった。



ぁ・・・



本気でほっとした。



大げさなやつじゃな。



いや
あれこれ考えたら
いろいろ不安が渦巻いてしまってな。



ぁ?



もしかして
もしかしたら・・・



なんじゃ?
言うてみよ。



ぁ・・・いや
もしかして玉ねぎを食ったせいなのかと・・・



はぁ?!

ふぅ。
わっちは犬ではありんせん。



だよな。
賢狼だもんな。
はっははははは。



ははは。
じゃがせっかくの酒と馳走を満喫できなかったのは
残念じゃ。

ぁ・・・



俺は商人だぞ。
そこは抜かりないさ。
残ったものは包んでもらってきてある。



本当かや?



あぁ。
すぐに出してやろう。



うんうん。



と言いたいところだが・・・



ぁ?

ぅわ!



やっぱり熱があるな。
相当疲れてたんじゃないのか?



ぁ・・・
ぬしのせいじゃ!



はぁ?!



ぬしの指はちょっと硬くて
狼の鼻先に似ておるのじゃ。
鼻をこすりつけてくるというのは
人間で言うと・・・



ん?



ちょっと言えぬ。



なんだ?
それ。



何でも良い!
もう良い!



ふむ。



ぁ・・・



とりあえず食事はおあずけだ。

ゆっくり眠れ。



ぅむ・・・






ロレンス!



暖かい・・・






ぁ・・・



ぁ・・・



コンコン

キィ



ホロ。
起きてるか?



見ればわかるじゃろ?



体調はどうだ?



起きられぬ。



本当か?

確かに。
まだ顔色は死にそうなお姫様みたいだな。



じゃが腹は減った。



それなら安心だ。
じゃあ粥でも作ってもらうか。



喉も渇きんす。
それ水かや?



あぁ。
いや
お前、昨日熱があったから
リンゴ酒をな。



ガバ!



ほんとかや!



お・・・おい・・・
大丈夫か?



くくく・・・



普段この半分でも
おとなしくしてくれるといいんだがな。



おとなしく荷馬車で寝ていれば
ぬしは怒るじゃろうが。



ただ俺だけ起きているなんて
不公平だろ?



おとなしくしてたら
飯のときにぬしに多く食われてしまいんす。



ふ。
身体が大きいんだから
当然だろ?



ならわっちも対抗して
態度を大きくせねばの。



む・・・



ふふふ。

ぅ・・・



どうした?



ぅ・・・
味が・・・



あぁ。
薄めてあるからな。



薄めすぎじゃ!
鼻が馬鹿になってしまったのかと
思いんす。



熱があるときには
薄いリンゴ酒だ。







ん?
お前、この手の知識は無いのか?



わっちは賢狼じゃからな。
世の中には自分の知らない事が
たくさんある事くらいなら
知っておる。



ぅん。
病とは人の身体の中の釣り合いが
崩れる事によって起こる。
潮の満ち干のようなものだ。
で、釣り合いが崩れたときは
人がとる4つの状態を調節して治す。



4つの状態?



そうだ。

熱い、冷たい。
乾いている、湿っている。
の4つだ。



それで?



それは食べ物によって
調節する事が出来る。
お前は熱があったから
冷たい食べ物が丁度いい。

だから
リンゴだ!



わっちは生のリンゴのほうが
良かったんじゃぞ。



それじゃぁ駄目なんだ。



りんごは冷たいが
乾いている食べ物だからな。
体調の悪い人間は乾いているから
湿らせないといけない。

そのために飲み物である必要がある。
だったら酒にすれば気分が良く
だが強い酒は熱いから
その力を薄めないといけない。



で、わっちは他に
何を食べさせてもらえるのかや?



あぁ
疲労が蓄積して熱が出たとあれば
まずこれを冷ます。
また
身体が乾いているはずだから
湿り気を取り戻す。

しかし
湿度は身体を冷やし
冷たすぎると人は憂鬱になる。

以上から
羊の乳を煮込んだ麦粥に
リンゴの切り身を入れて
ヤギのチーズを入れる・・・
なんてのはどうだ?



グルルル

うむ!
それが良い!
わっちはそれが食べたい!



お前・・・
本当はもう全快してるんじゃないのか?




posted by temari-cat at 14:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狼と香辛料II 0 1/3

狼と香辛料II 0 1/3


狼と琥珀色の憂鬱。






コン



いやぁそれにしてもノーラさんと出会えた事は
まさに神のお導きとしか思えません。
ノーラさんが居なければ
今の私のほろ酔い加減の笑顔も
無かったでしょうからね。



私もロレンスさんには
本当に感謝しています。
出会えて良かったです。



いえいえ
こちらこそ。



いえいえ・・・



コン



こちらこそ。



その上
金の密輸なんてとんでもない仕事まで
手伝わせてしまって・・・

正直なところ
まさか引き受けてもらえるとは
思いませんでした。



私もまさか自分が引き受けるとは
思いませんでした。



ぇ?



変ですね。
私。



ぁ・・・
はぁ。



きっといつかそういった
思い切った事をしなくちゃと
思ってたんです。
いつまでも
教会のお世話になってちゃいけないって。

だからロレンスさんは
私の命の恩人です。



そんな良いもんじゃありませんよ。
商人なんて自分本位なものです。



それなら私も同じです。



ぁ・・・



多分。



カタン



ぁ・・・

飲んでるか?
ホロ。



案ずるな。
勝手にやっておる。



ホロさんも一緒にお話しませんか?



ふ〜ん。



ぇ?



なんだ?
もう酔っ払ってるのか?



湖を飲み干すと言われた
賢狼のわっちじゃ。
この程度で酔っ払うわけが無かろう。



了解。



ぁ・・・



という事なので
暫く放っておきましょう。



ぇ?
でも・・・



もう少し酒が入ったら
自然と会話に加わる。
それまで待っておれ。



じゃぁ待ってますね。



で・・・
何の話でしたっけ?



ぅぅぅ・・・



おぉ!
来た、来た。



わぁ!
おいしそう!

ありがとうございます。



お前も食うか?



勝手にやってるから良い。
しばらく放っとくんじゃろ?



そうだったなぁ。

何のはなしでしたっけ?



えっと・・・
私たちの出会いの話ですか?



あれ?
その前は・・・



あぁ
羊たちの岩塩の話。



あぁ、そうだそうだ。
いやぁ
羊が岩塩を見つけるとは
知りませんでした。



えぇ。
あの子達は塩気がとても好きで・・・
例えば
岩に塩を軽く刷り込んでおけば
いつまでもずっと舐め続けるんですよ。



ん?
じゃぁあの話も本当かな?



何ですか?



東のほうの話で
羊を使った
拷問があると聞いた事があるんです。
それは無いだろうと思っていたんですが。



羊で拷問ですか?



えぇ。
それが傑作なんです。

縛り付けた罪人の足に塩をすりこんで
そこへ羊を連れて来るそうなんです。

ぁ!



足に塩を・・・
はむ・・ぅ〜ん・・・



ぁ!



怒りと共に覚えておこう。



すみません。
足に塩なんかしたら
羊が・・・



それはもう夢中で舐めますよね。



多分・・・



すると最初のうちはくすぐったくて
罪人は笑いまくるそうです。

うはははは。
笑い死ぬ。
笑い死ぬ。
あぁやめろ!



不思議な拷問ですね。



いや
実に変わっています。
それだけで羊たちは終わるはずも無く
足の裏を舐め続けて笑わせ続けたあげく
どうなると思います?!



どうなったんですか?



罪人は笑う事しか頭に無くなり
素敵な笑顔を
人々に振りまくようになりましたとさ。
めでたしめでたし。



・・・



本当ですか?
それ。



最後のところは
今つくりました。



いやだ。
ロレンスさんったら。



ははははは。

でもそこまでは本当です。
羊の心は計り知れませんね。



そう言えば
干し肉を食べた後の手を
羊たちが舐めたがって困りますね。
いいコたちなんですけど
なんて言うか
加減を知らなさ過ぎて
ちょっと恐いというか・・・



その点
お連れになっている騎士は
聞き分けが良さそうで。



ぇ?
あぁ。
エネクも時折頑張りすぎて
融通が利かないんですけどね。



ワン



ぅふ。
ごめんごめん。



くぅ・・・



いやぁ
本当にしつけが出来てますよね。
やはりノーラさんの羊飼いとしての腕が
確かなのでしょう。



いえ
そんな・・・



く・・・
あぁ・・・



ん?
なんだ?ホロ
もう酔ったのか?



酔ってなどおらぬ。



どこがよ。
しょうがない奴だな。



このわっちがたった3杯で・・・
酔うはずが・・・
なかろう・・・



ドサ



ぉ!
ホロ?



ぁ!






最近まで何百年と
一人で麦畑に居たせいだろうか?
毎日が何事もなく過ぎていき
昨日と今日の区別はなく
明日と明後日の区別もなかった。

時折思い出したかのように時間が進むのは
1年に1回の収穫の祭り。
2回の種まき祭り。

雨が降らないように祈る祭りと
風が吹かないように祈る祭り。
後は退屈な時間のかたまり。
祭りではないただの日々。

下手をすれば苗木が巨木になるのを
じっと見つめている事すらあった。

それに対して
旅と言うのは日々生まれ変わるに等しいくらいに
毎日が新鮮だ。

あの若い行商人と過ごしてきた日々は
たった数ヶ月が何十年分にも相当する。
朝に喧々囂々の喧嘩をしたかと思えば
昼には仲直りして
口についたパンのかけらを取らせてからかい
夕方は飯の取り合いでまた喧嘩して
夜は明日の事で静かに話し合う。

人と旅をしたり暮らしてきたことは何度かあった。





posted by temari-cat at 17:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狼と香辛料 13感想・原作比較

狼と香辛料 13感想・原作比較



感動の再開と思いきや・・・

ひどい格好じゃの。

奴らに裏切られた。
守れたのはこれくらいで・・・

まったく
なんて阿呆じゃ。
殴られて顔を腫らし
泥だらけで手首には火傷の痕まで。

そんな間抜けな姿になりながら
わっちの服だけ濡らさないように
後生大事に折りたたんで。
信じられぬほどお人よしじゃ!

ぬしよ。
わっちは人を殺すかもしれぬ。



ホロはロレンスの姿を見て怒り心頭なのでしょう。



それでも頼めないか?
誰かが理不尽に殺されるという事がわかっていて
それを見過ごす事なんて出来ない!
もちろん礼はする。

どんな?

ノーラの命・・・
とか言わなければ
最大限期待に答えよう。

頼む。
お前しか居ないんだ!



ロレンスの
誰かが理不尽に殺されるという事がわかっていて
それを見過ごす事なんて出来ない!
これには同感ですね。

ただ力なき正義は身を滅ぼす。
返り討ちにあって自分の身を滅ぼす。
これも現実。
いざとなった時、どうすれば良いのか?
これは永遠の課題なのかもしれません。



連中め
かなりの武器を用意しておる。
ざっと20人は居そうじゃ。

そんなにか?

とりあえずわっちに任せよ!



ホロの姿を考えればこの武装では弱いが
レメリオ商会はホロの事を知らないはず。
羊飼いの娘に、ロレンスとホロ
にしては仰々しい武装だとも思うのですが・・・

それとも森の狼が恐いのか?

しかし彼らは森の外で待っていた。
という事は密輸に対して
無理やり強行突破するつもりだったのだろうか?



エネク・・・

グルルル

まずい・・・
ホロが本気になる!

約束する!
俺を守れば300リュミオーネの報酬だ!



リーベルトさん・・・
ノーラを殺すつもりだったはずなのに・・・
口が信用できない・・・
の典型的例ですね。



ひとおもいに飲み込んでやろうかと思ったがの。
金は胃にもたれそうじゃ。



ホロのこの台詞には笑ってしまいます。
まぁホロの気持ちもわかりますけど・・・



な!
ぁ・・・

貴様ら!
こんな事して
ただで済むと思ってるのか?

うわぁ!

ごきげんよう。
リーベルトさん。

裏切ったのは俺じゃない!
信じてくれ!
俺は・・・俺は・・・

この狼は
全能の神から遣わされた代理です。

うわぁぁぁぁ・・・

嘘は通じませんよ。

うわぁぁぁぁ・・・

お前たちの要求した報酬が多すぎたんだ!

あのとおりにすれば債務の支払いだけで
儲けが無くなる。
だからレメリオはどうにかしろと言って
わかるだろ!
お前も俺と同じ商人・・・

ドス

ぅわぁ!

一緒にするな!

すみません。
ばたばたしちゃって・・・

つまりレメリオ商会は
我々を裏切ったのです。
ノーラさんも殺す算段だったと聞きました。

ぇ?!
うすうす変な所がある気はしてましたが・・・



確かにホロの姿は並みの狼をはるかに超える
巨大狼。
普通なら驚くのも当然でしょう。
そして金の量が予定より少ない事に気づくロレンス。



俺たちはこの先も生きていかなければならないんだ。
裏切られたからと言って復讐すれば
その先にはまた復讐が待っている!

ならば・・・

関係者全員をかみ殺すとは
言ってくれるなよ!

明日パンを買うカネが
人の血で汚れているというのは
気持ちが良いもんじゃない。
物事にはたくさんの終わらせ方があるだろうが
明日につながるものを選択したいじゃないか!



復讐の連鎖を生んではいけないし
もしその中に自分が居るのであれば
その連鎖をどこかで断ち切らないと
永遠に連鎖は続いてしまう。
みんなが笑って明日を迎える事ができる選択を
したいというロレンス。

ルルーシュとかぶってしまいます。



お見通しなら仕方が無い。
金の量が少なすぎたのだ。

あれじゃぁ600リュミオーネなど絶対にいかない。
いいとこ100だ。

山分けした上で
ぬしの借金を返したらそれでおしまいじゃな。
密輸せねば儲からぬという訳かや。

実際のところ切羽詰まってたんだろう。
ぎりぎりのところで用意できたのは
予定の1/6の100リュミオーネ。

それで買った金を密輸して
1000リュミオーネ得られれば
やっとどうにかなる程度さ。

わっちらに十分な口止め料を払えないという事も
初めからわかっておったか。

だからこそ
俺たちみたいなのが持ち込んだ話にも
乗ってきたんだろうな。

うむ。
事情は納得したが・・・

まだ何かあるのか?

小娘に対して
別にあんな言い方をせんでも良かろう。

かっこつけすぎたのか?




ホロはノーラに対してヤキモチを焼いているのでしょうか?



そうです。
私たちが密輸に成功したあかつきには
その金を500リュミオーネで買い取って
いただけませんか?

む・・・無理だ。
今の我々にそんな事できるわけ・・・

もちろん即金とは言いません。
借用証書を書いていただいて
10年間の分割で返してくださればいいんです。

しかし500はあまりにも・・・

この街であれほど立派な
荷上場を確保できるような商会を作ったあなただ。
10年で500リュミオーネなんて安いものでしょ。

な・・・何を?!

リーベルトさんに聞きましたよ。

ガラン

こんなわずかな財産で夜逃げするより
こちらの要求をのんで
店を再建するほうがいいに決まってますよね?
借入先はローエン商業組合で。

組合ですか?

個人の私は裏切れても
商業組合を裏切れば
商人として破滅ですからね。



銀貨1枚がおよそ1万円と考えて
金貨1枚がおよそ35万円。
35×500=1億7千500万。

10年の返済で
1年に1750万円。
1ヶ月で145万円。

こう考えるとかなりの金額ですが
会社として考えれば・・・
これで商売再建ができれば安いでしょう。



これでお前はレメリオと縁を切りつつ
10年先の借金を換金できる。
どんな手を使った?

ただの金取引ですよ。

大きな声じゃ言えませんが。

じゃぁとりあえず30で買ってやる。
取引が成功したら改めて100だ。

100?!

めでたいから大まけだ!

ありがとうございます。
それだけあれば
とりあえず謝礼やらお詫びやらして
借金も返せます。



ロレンスの借金がおよそ50リュミオーネ。
ノーラへの報酬が20リュミオーネ。

ロレンスの手元に60リュミオーネ残るから
まぁ安泰でしょう。



ぬし
嘘をついたな!

あぁ
ついた。
実際のところ覚えて無いしな。
しかしだ。

しかし?

あの状況なら確実に俺は
お前の名を呼んだと思う。

ぁぁぁ・・・

あの一刻を争う状況だ。
俺はきっと無意識にお前を呼ぶ事を
選択をしたはずだ。
なぜなら・・・




ロレンスが覚えていないと言ったのは事実でしょう。
そして・・・
いい感じなのですが・・・




なぜなら・・・
お前の名前のほうが
少しだけ短いからだ。

・・・
はぁ?

それにノーラと呼べば
いくら早口でもわかるだろ?
それに比べてホロは一瞬だからな。

頭に血が上ってたら
聞こえないかもしれない。

どうだ?
実に説得力溢れる・・・



ホロはホロで気持ちの準備をして
期待していたのに・・・

ロレンスはの答えは・・・
でもロレンスの顔を見ると
どうだ、いい言い訳だろう
という顔をしている。

ホロが怒るのも無理はないが
もしかしてロレンスって天然に鈍い?
それともわざと?!

それこそここは半分嘘でも
お前のほうが大事だとか・・・
お前のほうが強いから止めないと・・・とか
お前のほうが呼びなれてるとか・・・
そういう答えをしないと・・・(笑)



黙りんす!
少しだけ短いから
わっちの名を呼んだじゃと?!
このたわけ!

わっちが腹立つのは
ぬしが本気でそう思っとるところじゃ!

いっそあの小娘の名を答えとったら
思いっきりひっかいてやれたものを!



ホロが怒るのは当然です。



ぬしよ。
もう一度チャンスをやる。

名前を呼んでみよ。



ノーラの姿が見えつつある状況。
ロレンスはちらりと時計を見て
もうすぐ鐘が鳴る事がわかり・・・

ロレンス、ホロ両方でタイミングを見て・・・
口の形を見れば、どちらにも取れる口の動き。
しかし鐘の音で声はかき消され
ノーラはノーラで杖の鈴を鳴らし答える。



ホロ
やっぱりこっちのほうがいいな。

むぅ・・・
たわけ。



両方の思惑が・・・
笑えます。



レメリオ商会は何とか商売再建をし
それなりの活気が戻ってきた様子。

ミローネ商会では
商品の交渉。
もう少し・・・という商人と
そろばんを見せてNO!と言っているであろう
商会の査定役の人。


パスロエ村のクロエは
麦畑を眺めている。


いつもの当たり前の日常。



良い相棒じゃな。
こっちのよりよっぽど役に立つ。

こいつめ!

むぅ・・・

ふふふ。
じゃぁお二人とも
お幸せに。



喧嘩するほど仲がいい
の典型とも言えるホロとロレンス。
ノーラにお幸せに・・・と言われるのも
当然です。


狼と香辛料6 限定パック

狼と香辛料(2)


『狼と香辛料』その他の商品
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狼と香辛料 13(1期 最終回) 3/3

狼と香辛料 13(1期 最終回) 3/3






個人の私は裏切れても
商業組合を裏切れば
商人として破滅ですからね。






もう会えないかと思ったぞ!
脅かしやがって
この野郎!
この・・・



い・・・息が・・・



まったくお前って奴は・・・
とんでもない孝行息子だ!



あぁ・・・



これでお前はレメリオと縁を切りつつ
10年先の借金を換金できる。
どんな手を使った?



ただの金取引ですよ。



ん?



大きな声じゃ言えませんが。



じゃぁとりあえず30で買ってやる。
取引が成功したら改めて100だ。



100?!



めでたいから大まけだ!



ありがとうございます。
それだけあれば
とりあえず謝礼やらお詫びやらして
借金も返せます。



はははは。
お前も一人前の行商人になったもんだなぁ。
よぉし!
査定が終わったら倒れるまで飲むぞ!



ぁ・・・
えぇ・・・
ちょっと・・・その・・・



ん?



連れが・・・





遅い。



すまん。
でなんだ?
聞きたい事って?



2つある。



2つもか?



まず・・・
あの小娘をどこまで信用しておる?



ノーラがこのまま金を持ち逃げしても
追いかけられる。
それを見越してノーラに金を渡したくらいには
信用していない。



ま、そんなところかや。



もうひとつは?
何を聞かれても答えるよ。
今回はお前に物凄い借りがある。



少し・・・
風に当たりたい。






ぁ・・・



ぬしは・・・
覚えておるかや?



ん?



わっちが犬と小娘に向き合った時
どちらの名を呼んだのか?

わっちは頭に血が上っておって
聞こえんかった。

じゃが
あの時ぬしは
どちらかの名を呼んだはずじゃ。



気になるのか?



別に・・・
それほどでもないがの。



はむ。






ぁ・・・



お前の名を呼んだ。



ぁ!



ん・・・
ぬし
嘘をついたな!



あぁ
ついた。

実際のところ覚えて無いしな。
しかしだ。



しかし?



あの状況なら確実に俺は
お前の名を呼んだと思う。



ぁぁぁ・・・



あの一刻を争う状況だ。
俺はきっと無意識にお前を呼ぶ事を
選択をしたはずだ。
なぜなら・・・



ぁ・・・
待て!



ん?



すぅ
はぁ。

うむ。
言ってよいぞ。



なぜなら・・・
お前の名前のほうが
少しだけ短いからだ。



・・・

はぁ?



それにノーラと呼べば
いくら早口でもわかるだろ?
それに比べてホロは一瞬だからな。

頭に血が上ってたら
聞こえないかもしれない。

どうだ?
実に説得力溢れる・・・



黙りんす!
少しだけ短いから
わっちの名を呼んだじゃと?!
このたわけ!

わっちが腹立つのは
ぬしが本気でそう思っとるところじゃ!

いっそあの小娘の名を答えとったら
思いっきりひっかいてやれたものを!



チリン



ぅ!



ん・・・
ぬしよ。
もう一度チャンスをやる。

名前を呼んでみよ。



ぁ?
あぁ・・・

ぁ!

ん・・・

ぅむ。

ふふふ。



すぅ・・・



カチ

ゴーン



ん?



リンゴーン
リンゴーン
リンゴーン







○×△・・・



バチバチバチ



リンゴーン
リンゴーン
リンゴーン



はぁはぁはぁ・・・



ホロ
やっぱりこっちのほうがいいな。



むぅ・・・
たわけ。



ははは。



チリン
チリン
チリン






ぁ、そうじゃ。
濡れ衣ははらしてやらんとな。



ぇ?



そやつはわっちに惚れておったのではない。
正体に気づいておっただけじゃ。



そうだったんですか。



アォン



良い相棒じゃな。
こっちのよりよっぽど役に立つ。



こいつめ!



むぅ・・・



ふふふ。

じゃぁお二人とも
お幸せに。



ワン



ん・・・



あぁ・・・



posted by temari-cat at 15:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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