狼と香辛料II 3 2/3

狼と香辛料II 3 2/3






自分の力だけで立ち向かってくるだろう。



まるで勇敢な騎士じゃな。



そうだな。



だからこそ魅力的な修道女に
のぼせちまったんだろうな。
町の女は俺たち同様
周りの評判を気にするし
横のつながりからはみ出たものには
冷たい。

そんなのには耐えられなさそうだ。



立派だよ。
だが俺は商人だ。
横のつながりを使うことに
何のためらいも無い。



ぁ?



騎士にとっては陰険だろうが
商人同士の戦いに
泣き言は存在しないからな。

とりあえず情報収集を続けてくれるか?
バトスさんはアマーティーの資金源に
心当たりがありそうだから。



契約に勝てば
これ以上やきもきせずにすむしな。



それに上手くやれば
アマーティーの金儲けに便乗できるかもしれない。






はぁ〜・・・
今羊飼いの音がしなかったかや?



したなぁ。
普通町では吹かないんだが。



プー



羊飼いの娘が追ってきたらどうするかや?



別に。
奇遇ですね
と挨拶するだけさ。



むぅ。
ぬしが動揺せぬと
わっちが
ぬしの気を引いておるみたいじゃないかや?



それは恭悦至極だな。

恭悦過ぎて後が怖い。



ん?



そうか。
さっきのは祭りが始まる合図か。



ん?



では参るかや?
食べてばかりではつまらぬ。






はぁ・・・
ううん・・・
見えぬ・・・



ぁ・・・



来い!



ぁ!



あぁ・・・



おぉ!



ここは特等席じゃな。



この点はアマーティーに感謝だな。



何とも盟友じゃな。
じゃがこの雰囲気は悪くない。

ぁ?






わはははははは。



そぉれ!

やぁ!






わっちらも行こう!



ぇ?
ぁ・・・

よし!



わっちの足を踏まぬよう
注意するだけで良い。



努力する。






次は何じゃ?



次はベットだよ。
もう少しだ。



ベット
優しくしてくりゃれ。



馬鹿。



あ、あぁ!



くぅ・・・



バタン



あぁ!

はぁ。



コンコンコン



ぁ!



失礼。
お手紙が1通と
マルク様からのご伝言がございます。



マルクから?

明日でいいか。

い・・・いや
やっぱり。



ぅん・・・



あぁ・・・
起こしてすまん。
またちょっとマルクの所に行ってくる。



雌の匂いがする手紙を胸に忍ばせて?



ぁ・・・ぇ・・・
いや・・・
これはその・・・



わっちに隠すことが他にあるのかや?



実は昨日
北のほうの伝説に詳しい人に
ヨイツの事を聞きに行ったんだ。
それがたまたま女性だった。



それで?



それなりに有益な情報が手に入った。
お前の話なんかも聞けて。



わっちの?!



ぁ・・・
あぁ。
レノスって町に言い伝えが残っていたんだ。






麦束尻尾のホロウと名づけ・・・






お前の事だろ?



わからぬが・・・



町の言い伝えにお前がどの方角から来たのかも
載っていた。



ぁ・・・



それは本当かや?



ぁ・・・あぁ・・・

レノスという町の東の森から
来たらしい。
ニョッヒラから南西
かつレノスから東に行った山にあるところが
ヨイツだそうだ。



隠しておいて
わっちを驚かせようとしたのかや?



ぇ・・・



早く教えて欲しかった。



ぁ・・・

すまん。
ニョッヒラから南西ってだけじゃ
正直厳しかったが
かなり狭まった。
この手書きは追加の情報だろう。
この分なら思ったより楽に着けそうだ。



ぅん。






ニョッヒラからならお前一人で帰れないか?






ぅん。
たとえ半年かかったとしても
二人で頑張って探そう。



ぁ・・・



じゃぁ改めて
ちょっとマルクの所へ行ってくる。



雌の匂いのする手紙を胸に忍ばせて?






人にものを頼んでおいて
いいご身分だよなぁ。



ぁ・・・



え、ロレンス?
ま、祭りの間は結構暇だし
お前のおかげで儲けさせてもらってるからな。



な・・・
便乗したのか?
どんな方法だ?



濡れ手で泡のぼろ儲けさ。
バトスさんが見当をつけているって所から
調べたらすぐわかった。



宝石売買か。



近いが違う。
扱っているのはおよそ宝石とは呼べない代物だ。



黄鉄鉱?



なんだい。
もう耳にしてるのか?



占い師がらみだろ?



あぁ。
だがそいつはもうこの町には居ない。
占いの腕が良すぎて
異端審問官に目をつけられたんだとさ。



教会なんか来たら
この町は大騒ぎだろ?



そこだ。
それに黄鉄鉱の輸出量が多すぎる。
どっかの町で買い付けて売りさばけたから
とっとと消えたんだろう。

占い師のあおり文句に
教会ではくがついて
こいつのありがたみも急上昇だ。

今いくらすると思う?



そうだな・・・
思い切って100?



270。



ぁ!
まさか・・・



馬鹿げた値段だが
明日市場が開けたらもっと上がるだろう。



それにしたってこれが・・・
270?



屑にしかならない形の物でも
何がしかの効用があるとか理由をつけて
高値で売っている。



posted by temari-cat at 15:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狼と香辛料II 3 1/3

狼と香辛料II 3 1/3


狼と埋まらない溝。






もう一人の主役がご到着だ!

勇敢なる少年に拍手!



改めて宣言します。
私は遍歴の修道女の
細い肩にかかる借金を弁済し
その身を自由に出来たあかつきには
ローエン商業組合を天より見守ってくださる
聖人ランバルド氏に誓って
遍歴の修道女ホロに
誠実な愛を申し込みます!



おぉ!



ホロさんからその身に降りかかった
苦難と処遇についてお聞きしました。
私はその身分と財産により
彼女の自由の羽を取り戻し
結婚を申し込みたいのです。



おぉ!



血判とナイフ
本気ですね。
借金が無くなったからと言って
ホロが旅の同伴をやめるとは限りませんが。



やめてくれる自信はあります。



それにホロはまがりなりにも
修道女です。
結婚は・・・



しかしホロさんは
どこの修道会にも属していない。



な・・・



旅の便宜上
名乗って居るだけの修道女であれば
聖職者に課せられる結婚の禁止には
拘束されませんよね?



よく調べましたね。



クメルスンの都市法では
女性が借金を背負っている場合
その後見人は貸主となっています。

ロレンスさんが私の求婚を
無条件に認めてくだされば
このような誓約書は持ち出さずに済みますが
ロレンスさん。
契約のナイフ
受け取っていただけますよね?



いいぞロレンス!

男の恥だぞ!



契約書を拝見したい。

トレニー銀貨で千枚?



おぉ!



ホロさんがあなたに背負わされた金額を
明日の夕方までに返済してみせます。



おぉ!



この履行期限に間違いないですね?



はい。
トレニー銀貨千枚を現金で。



値切りや分割交渉には
一切応じませんよ。



結構です。



わかりました。



では契約成立ですね。



おぉ!



それでは明日
またこの場所で。



おぉ!



ご心配なく。
借金を肩代わりしてもらったくらいでは
私の連れはなびきませんから。



よぉし!
ロレンス側に・・・

アマーティーが4だ!

ロレンスに5エードだ!

俺もお前に10エードだ!



はぁ・・・

ぁ・・・

バトスさん・・・



厄介な事に巻き込まれましたね。



ぁ・・・
まったくです。



アマーティーさん
金の調達にあてがあっての事だと思いますよ。



ぁ・・・



もっとも
あまり関心できる方法では無いようですが。
ロレンスさんだけ肩入れするのも
アマーティーさんに気の毒ですから
詳しい内容は言いません。
ただ早めにお耳には入れておきたかった。



なぜです?



どんな理由であれ
共に旅をしてくれる相手がいるのは
嬉しい事ですからねぇ。
それを奪われるのは
あまりに辛い。






それで
もしあの坊やが銀貨千枚を渡したら
どうするんじゃ?



お前が使い込んだ金額を清算したら
残りはお前にやるよ。



わっちを試すでない。



ふぅ。
もしアマーティーが契約を完遂したら
俺も約束を守る。



ほぉ?
凄い自信じゃなぁ。



自信じゃない。
俺はお前を信じているだけだ。



まったく
おろおろしとったほうが
まだ可愛げがある。



自分でも大分成長を実感したよ。



ふん。
落ち着いて振舞うだけで
大人かや?



違うか?



勝てる博打かどうかを見極め
有利と踏んだからこその余裕など
単なる小ざかしさとしか言えぬ。



商人としての才能と言ってくれ。



アマーティーとの契約を断るのも
また立派な選択だったのではないかや?



それは・・・



どうせぬしは
周りを見て恥か否かを判断したんじゃろ?



ぅ・・・



仮に逆の立場になったら・・・
と考えてみよ。



逆?



ぉ・・・



わっちはロレンスといつまでも一緒に居たい。
たとえ借金と言えども
それはわっちとロレンスをつなぐ
絆の一つ。

それが切れることなど
わっちにはとても耐えられぬ。
この場でいくら恥を受けようとも
そんな契約は受け入れる事が出来ぬ。

どうじゃ?



た・・・
確かにそれは男らしい事かもしれない。
だがそれが大人かどうかは別だ。



うふ。
まぁ確かに
言われたら嬉しいが
向こう見ずな若さに溢れすぎじゃな。
げっぷが出そうじゃ。

ぅぇ。

そう考えると良き雄である事と
よき大人であることは
相容れぬのかもしれぬ。

良き雄は子供じみておるし
良き大人は腑抜けておる。



ならば良き女であり
よき大人であられる
賢狼ホロ様はどう対処するんだ?



ふ。
笑って受けるに決まっておろう。

そして契約を受けて宿に帰ったらの
こう膝まづくんじゃ。



ぁ・・・



勝てる博打だと踏んで契約を結びはしたろうが
きっと水面下で様々な動きをして万全を期すに違いない。
裏工作もふんだんにしての。



祭りに連れてけって事か。



契約のためには賄賂も辞さぬ商人さまじゃろ?






大丈夫なのか?
くだんの美女を連れてきて。



宿に閉じ込めておいたら
本当に俺が借金で縛りつけてるみたいじゃないか。




ロレンス氏はおっしゃっていますが
事の真相は?



真相も何も
わっちは莫大な借金で縛られていんす。
この鎖はあまりに重く
逃げる事など出来るはずもない。



ん?



もしぬし様がはずしてくれるのなら
わっちは喜んで麦の粉で白くなりんす。



はぁ・・・

あっはははは。
アマーティーが参る訳だ。
縛られているのはロレンスのほうだな。



旦那様!



ん?



はぁはぁ。



おぉご苦労。



くっくっくっ
ぷはぁ。




どうだった?



はい。
えっと課税台帳には
200イレードの課税があったそうです。



そうすると町の参事会が把握している
アマーティーの財産は
トレニー銀貨で800枚くらいだな。



この町の賭場は?



カードにサイコロ
後は兎追いくらいだな。
掛け金の上限も決まっている。



ふぅ。



博打と言えば
アマーティーが勝つという前提で
更にその先勝負がどうなるかという
賭けもあるようだ。



なるほど。



今の所お前が有利だが
倍率は1.2
接線だぞ。



胴元に分け前を請求しないとな。



で実際はどうなんだ?



答えがあっても容易に口にはできぬのが
世の中でありんす。



ぅ!



例えば
あの麦粉の純度とかな。



ぁ!

あのあのあの・・・



もしもわっちの借金が返済されたらどうするか
聞いてみたいじゃろ?



い・・・いや
滅相も無い。



しかしこうなると
直接相手の行動を監視するしか無いな。



陰険じゃな。



水面下の戦いと言ってくれ。
どうせ向こうもこっちの行動を
逐一誰かに監視させてるはずだ。



いや
それはどうかな?



ぁ?



アマーティーは元々
金持ちの三男坊だったらしい。
それが家出してこんな辺境の町に来て
一人で立派に稼いでいるだけに
我が強い。

俺たちのように裏で横のつながりを
利用としようとするのは
卑怯だと思ってるくらいだ。



posted by temari-cat at 12:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狼と香辛料II 2 感想

狼と香辛料II 2 感想


年代記作家?
あの町の日記を
ちまちまつけている奴らか?

日記と言うか歴史だな。

貴族や教会に金を貰って
一日中座って字を書いているだけで
儲けちまうんだからなぁ。



この台詞
麦商人のマルクから見れば
それだけで儲けられるのだから・・・
という何とも複雑な様子が見えます。



ギ・バトスって貴金属を扱っている
古株の行商人だ。
恐れ知らずの男でなぁ。
関わっちゃならない奴らと仕事をしている。



関わっちゃならない奴と仕事・・・
教会勢力が強い時代から見れば
危ない人たち・・・という見解なのでしょう。



ぬしの可愛い顔が見られたから
1日くらいは大丈夫じゃ。

ったく・・・

今の所ぬしの腕の中が一番じゃ。
安心するがよい。



この言葉を信じていればこの先のトラブルは
ロレンスにとってさぞ自信が持てたものでしょうが
人とは弱いものでして・・・
またそうでなければ物語がつまらない。
複雑な気分ですね。



知られざる時間がそこにはあります。
その時代の人間はもう誰も居ない。
しかし伝説と言う名の記憶はずっと行き続けていて
私たちに何かを語りかけてくれる。

何となくわかります。



当時の人たちはもう居ない・・・
これが普通の考え。
でもロレンスは・・・

ホロを知っている。
しかしホロの生きてきた時間
これを理解するにはまだ若すぎるのでしょう。



あら
バトスさん。

お久しぶりです。
お元気そうで何よりで。

それはこっちの台詞よ。
あら・・・
いい男。

でもその顔は私を魔女だと思ってる顔ね。

何ならそのように紹介しましょうか?

やめてよ。
ただでさえ辛気臭い場所なんだから
だいたいこんな綺麗な魔女が居る?

美しさゆえに魔女と呼ばれる奥方も多いようですよ。

相変わらずお上手ね。
さぞやあちこちに巣がおありなのでしょうね。



この辺りの台詞
好きですね。
ロレンスはそのやり取りにたじたじとなっているのに
バトスさんは当たり前のように話をかわしていく。

鳥が多いのも彼女が・・・
これはここでは伏せておきましょう。



私がお聞きしたいのは
ヨイツという町についての伝説なのですが・・・

あぁ・・・
月を狩る熊に滅ぼされた町ですね。
えっと・・・
確かこの辺に・・・



台詞には出てこないが
ロレンスは子供の頃聞いた話で
ヨイツは月を狩る熊に滅ぼされた事を聞いていた。

しかし・・・
ホロは知らない様子(?)




思い出した。
クロアニアよりももっと北を流れる
ローム河の源に
レノスという町があるのをご存知?

はい。
毛皮と材木の町ですよね。

そこにこんな昔話があるわ。

遥かなる昔
村に一匹の大きなる狼が現れり。
名をヨイツのホロウと名づけたり。
身の丈見上げるほどに高し。

村への天罰かと思いしが
ホロウは東の深き森より出で
南へ向かう途中と語れり。

酒を好み折節娘の姿になり変わりて
村の娘と踊れり。
見目麗しく年のころ若く
狼の尾はそのままに。

その年より実り多き年月続き
我ら麦束尻尾のホロウと名づけたり。

お役に立てた?

え、えぇ。
レノスから東の深い森となれば
限られますからね。
十分な手がかりです。

それは良かったわ。



ヨイツの大まかな場所の手がかりがつかめたロレンス。
しかもそこにはホロの名前も・・・



ローム河の源流にレノスって町があるだろ?

なんだ。
ニョッヒラの情報が
もういくつか集まっていたんだが。

悪いな。
ちょっと事情が変わった。

連れと仲たがいという噂は本当だったか?



マルクの店へ寄ったロレンス。
ニョッヒラよりもレノスへ向かうのだろうか?
それともどちらかを経由してヨイツへ行くのだろうか?

しかしマルクの店で聞かされた話は・・・
アマーティとホロが祭り見物に行ったのが
噂話となり・・・
まぁ往々にして噂とはこんなものですね。



なんたって優しいからね。
女なら誰だって惚れたくなるさ。

聞いたか?
俺は嫉妬の炎で燃え上がっちまうぜ!

そしたらあたしはその火で
アマーティーさんに美味しいパイを焼いてやるよ。



この台詞の言い回しも好きですね。



同じ行商人だったよしみで忠告するが
アマーティーには気をつけろ。
あの歳の奴らが一度夢中になったら
どんな無茶でもやってのけるぞ。



これが今回の話の中心になるのですが・・・
若さゆえの過ち
ってやつですか。



実に質のよい毛皮じゃ。
わっちの尻尾には劣るがな。

そんな物貰ったら
貰いっぱなしと言うわけにはいかないだろ?
タダでお前の機嫌が買えると思ったら
とんだ赤字だ。

こすい事考えるからじゃ。



ホロの言うとおり。
タダより安いものなし。
タダより高いものなし。



それは運命が見えるサイコロじゃ。
よくぞ作ったというほど見事な形じゃろ?
この先相当な値で売れるに違いない。

たわけ。

こんな物が売れるか。

自然にこうなった石なんだ。
人が作った物じゃない。
特に使い道も無く
みやげ物として売られる。

俺の言葉に嘘が無い事は
お前にならわかるだろ?

金によく似ているから
詐欺に使われたりもするが
他に買っている奴なんか居なかったろ?

いや
たくさん居った。

本当か?

運命が見えると言った占い師は
腕が良くてな。
その見事さにはわっちも唸るほどじゃ。
他にもいろいろ理由をつけて売っておった。

こんな物をか?

うむ。
病気が治るとか
魔よけになるとか
恋心に火がつく・・・
とかの。

祭りの高揚した気分の中でそう言われたら
つい手を出したくなるのかもな。

うむ。
それもアマーティーが競り落とした。

競り落とした?!

競りなんて初めて見たが
みんなそれは熱くなっての。
恐いくらいじゃった。

黄鉄鉱か。
バトスさんのつてがあれば
一儲けできるかも・・・



これも次の話への布石ですね。
ある意味
黄鉄鉱が今回の主役とも言えそうですから。



朝早くから申し訳ありません。
主人から言伝が・・・

な!
ぁ・・・うん。

言伝と言うのは?

は・・・はい。
実は・・・



マルクのところの小僧から伝えられたことづて。
それを聞いて上着も着ずにどこかへ走るロレンス。
一体何が?

非常に気になる展開です。



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狼と香辛料II 2 3/3

狼と香辛料II 2 3/3






ハァハァハァ



はぁ。
馬鹿だな。
俺も。






月を狩る熊に滅ぼされた町ですね。






ぁ・・・

めいっぱい楽しんだか?



ぁ・・・



アマーティーはどうした?



ぁ・・・
多分下で別れた・・・



多分・・・てお前なぁ・・・
ぁ!
それ買ってもらったのか?



何がじゃ?

ぅ・・・苦しい・・・
ぬしよ
ちょっと手伝ってくりゃれ。



はぁ・・・
よっと。



ぁ・・・
こらこら。



ぁ・・・



おい、寝るな。



はぁ・・・



あ、こら!



くぅ・・・



は。
ったく。
お前他にも何か買ってもらったのか?



ぁ?

ん?






実に質のよい毛皮じゃ。
わっちの尻尾には劣るがな。



そんな物貰ったら
貰いっぱなしと言うわけにはいかないだろ?
タダでお前の機嫌が買えると思ったら
とんだ赤字だ。



こすい事考えるからじゃ。



ん・・・



ふん。



襟巻きの礼の分は
祭りで使うつもりだった予算から
引いておくからな!



むぅ・・・



俺との関係は聞かれなかったか?



何でそんな事聞くのかや?



いろいろ勘ぐられるとまずいだろ?



ふむ。
一応わっちは旅の修道女で
わっちを売り飛ばそうとしていた悪いやつから
ぬしが助けてくれた事にした。



なるほど。



で助けられたものの
ぬしに大借金を背負うはめになり
とても返せぬので
道中の安全を祈る事で清算している
哀れな身の上でありんす。
よいよい。



お芝居は必要ない。



そんな話をしたら
突然襟巻きを買われてしまっての。
くふふ。



まぁ良いだろう。
だがこれは何だ?



それは運命が見えるサイコロじゃ。
よくぞ作ったというほど見事な形じゃろ?
この先相当な値で売れるに違いない。



たわけ。



ぁ・・・



こんな物が売れるか。



ぇ?



自然にこうなった石なんだ。
人が作った物じゃない。
特に使い道も無く
みやげ物として売られる。

俺の言葉に嘘が無い事は
お前にならわかるだろ?



うむ。



金によく似ているから
詐欺に使われたりもするが
他に買っている奴なんか居なかったろ?



いや
たくさん居った。



本当か?



運命が見えると言った占い師は
腕が良くてな。
その見事さにはわっちも唸るほどじゃ。
他にもいろいろ理由をつけて売っておった。



こんな物をか?



うむ。
病気が治るとか
魔よけになるとか
恋心に火がつく・・・
とかの。



祭りの高揚した気分の中でそう言われたら
つい手を出したくなるのかもな。



うむ。
それもアマーティーが競り落とした。



競り落とした?!



競りなんて初めて見たが
みんなそれは熱くなっての。
恐いくらいじゃった。



黄鉄鉱か。
バトスさんのつてがあれば
一儲けできるかも・・・



コンコン



ん?



キィ



朝早くから申し訳ありません。
主人から言伝が・・・



な!
ぁ・・・うん。



言伝と言うのは?



は・・・はい。
実は・・・



・・・






ロレンスさん!



はぁ・・・



待ってください!



ロレンスさん!



はぁはぁはぁ・・・





posted by temari-cat at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狼と香辛料II 2 2/3

狼と香辛料II 2 2/3





私たちに何かを語りかけてくれる。



何となくわかります。



町の人間は
この中の人々を
あまり良く思ってませんからねぇ。
教会に追われたよそ者ども。
リュビンハイゲン辺りに行けば
縛り首になるような連中だと。



ぁ・・・

ぅ・・・
これは・・・
硫黄ですか?



ははは。
薬石までご存知とは
ロレンスさんはいい商人ですね。

実際の所あの壁は
この風を防ぐと言う目的が
一番大きいかもしれません。



鳥が・・・
多いいようですね。



ふふ。
毒の風が常に臭うとは限りませんからね。



教会が言うところの
死神の手
ですか?

確かにこの辺りは
あちこちから手が伸びてきそうだ。
この区画にはどのくらいの錬金術師が住んでいるんですか?



そうですねぇ。
お弟子さんも含めて20人居るかどうか?
なにぶんにも事故が多いので
正確な数はわかりません。



錬金術師相手の商売と言うのは
儲かりますか?



皆さん錬金術を魔法のようにお考えですが
実際は金属を熱したり
酸で溶かしたりするだけですよ。



はぁ・・・



もっとも魔法を研究されてる方が
いらっしゃるというのも事実ですが。

ん?

私も噂で聞いた程度です。
この区画に住んでいる方は
皆さんいい人たちですよ。



それは何よりです。



ま、取引相手ですから
悪い人たちとは
口が裂けても言えませんが。



あはは・・・



そんなに緊張せずとも
実に気のいい方ですよ。



はぁ・・・



ごめんください。



パサパサ



ぁ!



ぁ・・・



キィ



うわ!



あら
バトスさん。



お久しぶりです。
お元気そうで何よりで。



それはこっちの台詞よ。
あら・・・
いい男。



ぁ・・・



でもその顔は私を魔女だと思ってる顔ね。



ぁ・・・



何ならそのように紹介しましょうか?



やめてよ。
ただでさえ辛気臭い場所なんだから
だいたいこんな綺麗な魔女が居る?



美しさゆえに魔女と呼ばれる奥方も多いようですよ。



相変わらずお上手ね。
さぞやあちこちに巣がおありなのでしょうね。



ん・・・
うほん。
それで姉さん
今日はこちらの方が・・・



行商人のクラフト・ロレンスと申します。
リアン・ルーベンス氏はご在宅でしょうか?



なんだ話してなかったの?



ぁ・・・



あぁ・・・



私がリアン・ルーベンスです。



ぇ?



男みたいな名前でしょ?



あぁ・・・
あぁ、いえ・・・



うふ。
リアナとでもお呼びください。






それでご用件と言うのは?



突然お邪魔した非礼をまずお詫びします。
実はルーベンスさんが・・・



リアナです。



ぁ・・・
あ、失礼しました。



いいえ。



ぁ・・・

実はリアナさんが
北の地方の伝説に詳しいとお聞きしまして。



北の?



はい。



商いの話しかと・・・



ご冗談を。



お望みの話を私が知っていればいいけど・・・



私がお聞きしたいのは
ヨイツという町についての伝説なのですが・・・



あぁ・・・
月を狩る熊に滅ぼされた町ですね。
えっと・・・
確かこの辺に・・・



バサバサ



え〜っと・・・
これだわ。

月を狩る熊
イワラビル・ヘッド・ヘンド
って発音かしら?
その熊に滅ぼされた町、ヨイツ。

かなり古いお話ですけど
その熊のお話ならいくつかありますよ。

ロレンスさん。



ああぁ・・・
せめてヨイツの場所だけでも
わかりませんか?



ヨイツの場所ですか?



はい。
とある理由から探しているんです。



場所・・・
場所・・・
場所・・・



ぁ・・・




(ストップ)



ぁ・・・



思い出した。
クロアニアよりももっと北を流れる
ローム河の源に
レノスという町があるのをご存知?



はい。
毛皮と材木の町ですよね。



そこにこんな昔話があるわ。

遥かなる昔
村に一匹の大きなる狼が現れり。
名をヨイツのホロウと名づけたり。
身の丈見上げるほどに高し。

村への天罰かと思いしが
ホロウは東の深き森より出で
南へ向かう途中と語れり。

酒を好み折節娘の姿になり変わりて
村の娘と踊れり。
見目麗しく年のころ若く
狼の尾はそのままに。

その年より実り多き年月続き
我ら麦束尻尾のホロウと名づけたり。

お役に立てた?



え、えぇ。
レノスから東の深い森となれば
限られますからね。
十分な手がかりです。



それは良かったわ。



このお礼は近いうちに是非。



私はこのとおり
教会から追われても
異教の地の伝説が大好きなの。

それも教会に配慮して中身を捻じ曲げていない
きちんとした言い伝えどおりのお話がね。

ロレンスさんは行商人のようですし
何か面白い話の一つもあるんでしょ?
それを聞かせてもらえれば
お礼なんか結構よ。



わかりました。
では南の麦の大産地で
長い間豊作を司っていた狼の話をいたしましょう。






いやぁ
実に久しぶりです。
伝説武勇や魔法使いの話で盛り上がったのは。



子供の頃は
いつもそんな事ばかり考えていた気がしますが
いつからでしょうね。
それが作り話にしか見えなくなってしまったのは。



ふぅ・・・






よぉ!
色男。



ローム河の源流にレノスって町があるだろ?

おい
入れすぎだ。



すみません。



なんだ。
ニョッヒラの情報が
もういくつか集まっていたんだが。



悪いな。
ちょっと事情が変わった。



ほぉ。
連れと仲たがいという噂は本当だったか?



何だって?



隠すな隠すな
この色男。
お前が上等な宿に
えらく美人の修道女と泊まっているのは
周知の事実だ。
まったく神をも恐れぬ男め。



俺と連れは酒の肴になるような間柄じゃない。
だが仲たがいって何だ?



ついさっきだがな。
お前の連れとうちの組合の若い奴が
連れ立って歩いていたって話が
入ってきたんだ。
随分楽しそうにしてたらしいぞ。



あぁ。
アマーティー・・・さんか。



なんだ。
もうあきらめてんのか?



そうじゃない。
俺は今日1日用事があって
連れの相手が出来なかった。
そこで
アマーティー・・・さんが暇だったから
案内をかって出てくれた。



ぁ・・・



ん・・・



つまらない結果で悪いが
つまりそういう事だ。
ぅん。



ふ〜ん。

だとしても俺はアデーレの奴が
アマーティーと一緒に歩いていたと聞いたら
もう居ても立っても居られなくなるぜ。



あたしが軽薄って事かい?



ぁ・・・馬鹿!
そんなはずがあるか?
お前!

お前だってアマーティーのしたたかさは
知っているだろ?



そりゃね。
南のほうの結構名家の生まれで
そこを飛び出して一人で商売を始めちゃって
成功してるわけだし。



ん・・・



なんたって優しいからね。
女なら誰だって惚れたくなるさ。



聞いたか?
俺は嫉妬の炎で燃え上がっちまうぜ!



そしたらあたしはその火で
アマーティーさんに美味しいパイを焼いてやるよ。



ア・・・アデーレ・・・






同じ行商人だったよしみで忠告するが
アマーティーには気をつけろ。
あの歳の奴らが一度夢中になったら
どんな無茶でもやってのけるぞ。



バタン



ハァハァハァ



はぁ。
馬鹿だな。
俺も。






月を狩る熊に滅ぼされた町ですね。



posted by temari-cat at 12:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 狼と香辛料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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